カッピング、焙煎、カッピングでわかってきたコーヒーのこと

投稿者: | 2014/05/28
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これまでずっとカッピング、そして昨年末から焙煎、というふうにコーヒーと
関わってきてるわけです。先日ふと「そういえば抽出のことで悩むの減ったぞ?」
ということに気がつき、ちょっと面白いなぁと思ったので書いてみます。

coffee tasting
coffee tasting / skinnydiver

まずは生豆

IMG_2503
IMG_2503 / mccun934

どんなコーヒーでも、焙煎する前は「生豆(なままめ)」です。
気づけば何十種類かのコーヒー生豆に触れてきているのですが、いい匂いのする
生豆はやっぱり美味しいコーヒーになる、ということがを実感します。
決して普通の人が嗅いでいい匂いだとは思えないでしょうが(笑)、生豆の
良し悪しはこんなところにも如実に現れるのだな、と。

良い生豆の定義、というと大げさですが、まずは適正な水分率であること、
あとはきちんと欠点豆が除去されている、ということですね。触ったり、
匂いをチェックしたりすると、色々なことが実はわかりますね〜。

 

次に焙煎

the machine
the machine / skinnydiver

生豆を焙煎して初めて、わたしたちはコーヒーとして飲むことができます。
焙煎について私が考えているのは、以下の3点。これは以前から変わっていませんね。

1.水分をちゃんと抜く
2.熱量をしっかり与える
3.焦がさない

焙煎中の状態を常にチェックし、豆によって微妙にタイミングを変えながら
火力を調節しつつ、焙煎をしています。目指すのは「飲み心地の良いコーヒー」。
こういう焙煎をしていれば今のところ、だいたいフレーバーはついてきてくれます。
なにしろ大事なのは質感と甘さ。これにフォーカスした焙煎が、今のところ
沢山の人に楽しんでもらいやすいんじゃないかなぁ、と考えています。

 

そして抽出、の前にカッピング

JOH_3791
JOH_3791 / star5112

焙煎したコーヒーは全てカッピングします。
それによって焙煎がちゃんと出来ているか、意図したフレーバーが出ているか、
ということをチェックするのです。焙煎後10数分〜数時間の間にカップしてしまう
ので、フレーバーに関しては実は完全に出ているわけではないのですが、
クリーンカップと質感にはあまり関係がないので(特に質感)、そこを基本的には
重視してクオリティチェックのカッピングを行なっています。

またカッピングを繰り返して行っていくことで身についていくのは、
「美味しいコーヒーってこういうもの」というイメージです。
私の場合はどうやらこれが先に出来上がっているようで、振り返ってみると
ずいぶんと助けられてきたなぁ、ということが多くあったように思います。

さて、ここまでで生豆を見て、焙煎をして、カッピングしました。
どこまで深く集中・意識しているかによって多少差はあるかもしれませんが、普通に
仕事をしている感覚だとこれによってコーヒーの情報は全ての手の中にある、という
ことになるかとは思います。

これによって、自分の場合は抽出する際に感じる悩みがずいぶんと減りました。

 

最後に抽出

そして、コーヒーを抽出します。
私は自社でも、他のところでも基本的には同じようにやりますが、まずは使用する
コーヒー豆の量、お湯の量の設定をします。次にコーヒー豆の挽き具合、時間といった
ことを器具によって色々と設定し、抽出をします。

そして抽出した結果をもとに、先に設定した設定を少し調整して完成させるのですね。
ここで生きてくるのが、生豆から焙煎、カッピングを全て通して見ている、ということ。

「このコーヒーだったらこういう風味が出るはず」
「抽出のここをこうすればもっとこの部分が出る」
「こういうところがキレイに出ていないからこう変えよう」
といったことを、今までもやっていましたが上述のように全て通して見ていることが
影響しているのか、その調節がピンポイントで当たって、1、2回テイスティング&
調整をするだけで完成する、という体験をすることが多くなってきているんですよね。

ハンドドリップしかり、エスプレッソしかり、エアロプレスしかり。
スチームパンクもとりあえず今のところは「コレでしょ!」という感じですし、
なんだか不思議だなぁ、とずっと思っていたのですが、要は自分の豆のことを
全部知っているから、そういうことになっていたんだな、と(笑)。

また、昔に比べてチェックすることが増えたのが「抽出状態」。
コーヒーを抽出したあとのコーヒーの状態です。いちばん重視するのは
均一な状態かどうか、ということ。抽出過程が目に見える抽出の場合は、
ここも同時に見ています。意外と色々ヒントが転がっているなー、と思いますね。

そんなこんなで必死こいてやってきたことは無駄にならないんだな、という
話になってしまいましたが、あとはこれが思い込みでないことを祈るばかり…(笑)。