中米のコーヒー、収穫期!

投稿者: | 2014/03/19
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コーヒーノキ(植物としてのコーヒーの呼び名)は通常、年に1回花を咲かせ、
やがて果実を実らせます。その果実を摘み取り、生産処理といわれる
精製過程を経て緑色をしたコーヒー生豆となり、日本へやってくるわけですね。

で、私は年末〜年明け〜初春にかけてSNSを開く時、ちょっとドキドキしています。
それは、情報を多く発信してくれる生産者の多い中米地域が、コーヒーの収穫期を
迎え始めるからです(笑)!

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(via from Microbeneficio Monte Copey)
↑こんな写真とかFacebookにUPされちゃうんですよ!


 

代表的な産地の収穫期

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(via from Microbeneficio Monte Copey)

スペシャルティコーヒーの代表的な産地、中米、南米、アフリカ、インドネシア。
それらの生産地の主な収穫期をいくつか挙げておこうと思います。
気候の変動、地域差はもちろん年ごとにありますので、おおまかな目安です。

・中米:10月〜翌年3月
・南米:4月〜9月
・赤道直下:4月〜6月、10月〜12月 ※気候の関係で年に2回収穫可能
・アフリカ(その他):3月〜6月

 

コーヒーの収穫の特徴

コーヒーの収穫は、なかなかユニーク。
ここでは「スペシャルティコーヒーを作る」ということを目的にした場合のお話を
しようと思います。スペシャルティコーヒーを作るには、まずコーヒーノキの果実
である通称「コーヒーチェリー」をしっかりと熟させる、ということが重要ですね。

そして熟した果実だけを摘み取る、セレクティブ・ピッキングという作業が不可欠です。
これには経験が必要で、ベテランのピッカー(収穫労働者)とビギナーのピッカーでは
給料に差が出るほど、人によって差がでてしまうものなんですね。
で、熟すタイミングが一定であれば収穫も多少楽になるのですが、コーヒーチェリーが
熟すタイミングは花の咲く時期によって変わるうえ、花が同時期に一斉に咲くのは
まれなため、同じ木・同じ枝でもコーヒーチェリーの熟度に差が出てしまうのが普通なのです。

ですので一般的に、収穫期は3ヶ月ほどとって、1ヶ月に1回収穫をする、というのが
よくあるコーヒーの収穫サイクル、となっています。

 

収穫時期とカップクオリティ

おもしろいことに、同じように完熟チェリーだけを収穫してコーヒーを作っても、
収穫した時期によってカップクオリティが違う、ということもよくあります。

よくいわれているのは、たとえば3回収穫があったとしたら、最盛期である2回目の
収穫で作ったロットが、質・量ともに安定して高い、ということ。
収穫し始めと収穫し終わりは、どうしても完熟に見えても未熟なチェリーが混ざりやすい
傾向にある、というのが理由だそうです。

しかしまぁ、これも神話みたいなものでその年や農園ごとによって違います。
意外と収穫初期のロットが悪くない、ということもままありますので、あまり
先入観を持ってしまうのは良くないですね。

 

収穫してからのコーヒーの流れ

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(via from Microbeneficio Monte Copey)

さて、そうやって収穫されたコーヒーは生産処理されてまずはドライパーチメントの
状態にまで加工され、輸出業者に納められます。バイヤーはだいたい輸出業者の
オフィスを訪れ(産地やバイヤーによってこのあたりは異なります)、その年採れた
コーヒーのクオリティチェック、そして買い付けを行うわけです。

そして買い付けられたコーヒーは数ヶ月「レスティング」といわれる休眠期間を
経て水分の移動を安定させたあと、脱穀されて生豆になり、袋詰・コンテナ詰め
され、日本にやってくる、というわけですね。ここに至るまで収穫されてからおよそ
半年くらいの日数がかかる、ということになります。

去年採れたコーヒーもまだ全部味わっていないうちからこういうことを言うのもあれ
なんですが(笑)、毎年この時期はきたるニュークロップの出来が非常に楽しみになる
時期なんですよね。

今はSNSはじめインターネットが発達していますので、やろうと思えば誰でもリアル
タイムで産地で今どういうことが起こっているのか、ということを知ることができます。
時々はそうやって、自分が飲んでいるコーヒーがどうやってやってきているのか、
ということに思いを馳せるのもわるくないんじゃないでしょうか。