一般に、コーヒーの収穫は年に1回、数ヶ月の間行われます。
そして生産処理され、検品され、仲買人やエクスポーター、
または農協等によって買い上げられ、次の収穫のための準備を始めます。
農園で働く労働者は多くが日払いの収入で生活する期間労働者です。
では、農園を経営する人たちの収入は?
それは、収穫したコーヒーの売価です。
実は、コーヒーの代金が農園主の手に渡るまでは一般に数カ月を要します。
これが、特に小規模な生産者の生活を苦しくする、ひとつの要因となっています。
彼らには、明日を生きるためのお金が必要なのです。
特にコーヒーの収穫を終えた後は金銭的に苦しくなるらしく、
そんな実情を6分弱の動画にまとめたものがあります。
■The Plight of Coffee Growers: ‘After the Harvest’
時には彼らは日銭を得るために、
せっかく作った高品質なコーヒーのチェリーを、
本来の値段(品質からみた値段)より安い価格であっても、
チェリーごと「コヨーテ」と呼ばれるブローカーに売り渡してしまうこともあります。
そうして売られたコーヒーは、〇〇SHBや、〇〇マウンテン等と言う名称で
他の農家のコーヒーと、品質の関係も何もなく一緒にされ、
丁寧な仕事をした彼らの功績は一切報われることがありません。
この状況を打開し、より継続的に高品質なコーヒー生豆を生産し続けてもらうために、
代金を先払いしたり、自分たちで融資したり、また銀行の融資を紹介したり、
といった取り組みを行っているロースターもあります。
生産地から遠い我々には、生産地の方々の苦労は
想像するしかありませんが、こういった取り組みによって、
そして、こういった取り組みをしているお店からコーヒーを買うことによって、
高品質なコーヒーを生産し続けている生産国の人たちに、
「あなた達のコーヒーに出会えて良かった」
という言葉を、少しずつ届けることができたらな、と思います。