予告どおり、スギコーヒーロースティングの杉浦バリスタ、フリーの石谷バリスタのパフォーマンスを紹介していこうと思います。
◆スギコーヒーロースティング 杉浦優子バリスタ
■【コーヒー豆専門店】 スギコーヒーロースティング
JBCへの挑戦は私の記憶違いがなければ2回目だと思うのですが、2回目の挑戦でセミファイナルまでコマを進めた実力をぐっと高めてきたバリスタの一人だと思っています。
使用したコーヒーはコスタリカ/ラス・ヌベス農園のもの。スペシャルティコーヒーだからこそのクリーンカップにフォーカスしたプレゼンテーションで、クリーンでないコーヒーとのアイスアメリカーノの飲み比べ、その後シロップを加えて甘味の広がりを感じてもらうシグネチャービバレッジからの提供でした。
クリーンカップではないコーヒーをすりガラスの向こうの絵、クリーンカップのコーヒーを透き通ったガラスの向こうの絵、とビジュアルで表現する場面もあり、個人的には非常に共感しながら観戦していました。
しかしながらシグネチャービバレッジのアイスアメリカーノ+シロップ、クリーンカップなものとそうでないものとの比較、というプレゼンテーションの骨組みは、2010年、2011年のWBC、ワールドバリスタチャンピオンシップで丸山珈琲の鈴木樹バリスタが行ったプレゼンテーションと重なる部分があり、新規性という意味では今一歩、というところであったかもしれません。その点だけが、少し残念に感じた部分でした。
ただパフォーマンス自体は観戦していてまったく危なげのないものだったように思いますし、今後の活躍を引き続き期待したいバリスタであると思います。
◆フリー 石谷貴之バリスタ
競技順が杉浦バリスタ、このあとの斎藤バリスタの間だったので、パフォーマンスを見ることができました。
使用したコーヒーはコスタリカのオリジンで、シグネチャービバレッジにはエスプレッソをお湯の代わりに使って抽出する興味深いドリンクでした。
石谷バリスタは現在、どこのお店にも所属せずフリーの立場でトレーニングやセミナーを中心に活動されているバリスタです。その在り方はなかなか真似のできるものではないのですが、その彼ならではの視点が非常におもしろいプレゼンテーションでした。それは、「ディストリビューション」 、フィルターバスケット内への粉の分配方法を変えることで、ドリンクに合わせた抽出をする、というものでした。同じコーヒー・同じメッシュでもレベリングやドーシングの際の状態でエスプレッソの抽出状態は微妙に変わりますが、個人的にはそれを一定にする、という方向へ持っていくのが一般的だと思います。それをあえてドリンクに合わせて、適切な方向へ変える、というのは技術のあるバリスタに許された、というと大げさかもしれませんが、それくらい高度な技術が必要なことだと思います。
そうした領域へのチャレンジが評価された(か、どうかはわかりませんが)石谷バリスタは2位、準優勝という素晴らしい結果を獲得されました!
おめでとうございます!!
つづく
次回、最終回は丸山珈琲、松本祐樹バリスタ、斎藤久美子バリスタ、井崎英典バリスタです。