■カフェテナンゴ
6月28日、カフェテナンゴさんの産地セミナー、【グアテマラ出張報告】へ
参加してきました。
その内容を、セミナーのページより引用します。
——————————————————————-
「グアテマラ出張報告」
5月のグアテマラ出張時の写真をみながら農園の様子などを説明します。
現地最新情報と国内の様子がわかります。
6/14に行われた「エル・インヘルト農園」のオークションロットを
カッピングします。
~カッピングロット~
◆パッカマラ種◆
・カルメン
・コンセプシオン
・ファティマ(カフェテナンゴ落札ロット)
・ルルデス
・グアダルーペ
・チアントラ
◆マラゴジペ種◆
・タンサニア
◆ブルボン種◆
・カパドシア ピーベリー
上記8ロットです。
——————————————————————-
◆Finca El Injerto Auction
エル・インヘルト農園のオークションについての記事は以下。
■『世田谷コーヒー宣言』 2011年インヘルトのオークション結果
■琥珀色のウタカタ| Finca El Injerto Auction
そして白熱のオークション結果はこちら。
■El Injerto 2011 – Internet Coffee Auction – Stoneworks.com
カフェテナンゴさんもブログの中で触れられていますが、ポイントを簡単にまとめます。
・最高価格は「モカ種」のロット
ポンドあたり、$211.50!!
コーヒーオークション史上最高価格だと思います。
落札したのは韓国のロースター。
・「ゲイシャ種」のロットも高値
日本のロースターがひとつ落札しています。
セントロアメリカは、あのエスメラルダゲイシャの種。
エチオピア由来のものと、2種類出品していました。
・「ブルボン・ピーベリー」はスタンプタウンが買い占め
ピーベリーのロットは全ロット、スタンプタウンが落札しました。
・「パカマラ種」は収穫最盛期のロット:ファティマが人気
収穫最盛期は、完熟チェリーの割合が高く、
結果として品質が高いことが多いのですが、
エル・インヘルトも例外ではありません。
◆セミナーのカッピングでの印象
ブルボン・ピーベリー、マラゴジペ、パカマラ、この3種類のロットをカッピングしました。
パカマラ種は収穫期違い/エリア違いで6ロット。
私が一番良いと思ったのは、やはり収穫最盛期前半の「ファティマ」。
クリーンカップでフローラル、トロピカルフルーツ系のフレーバー、豊かなボディと、
完璧なまでの完成度を感じさせていました。
次点はチアントラ、収穫最盛期後半のロットで、ワイニーな印象がたまりませんでした。
◆ちょっと考えたこと
コーヒーのクオリティに大きく関わるのは、農園のポテンシャル:テロワール、栽培品種、そして生産処理・品質管理だと思っています。エスメラルダ・ゲイシャで証明された様に、それらが噛みあうことで本当に素晴らしいコーヒーが生まれています。エル・インヘルト・パカマラは、そのもうひとつの成功例といえるでしょう。エルインヘルトは今後、パカマラ種はオークションでしか売らなくなるようです。
しかしここで、安易にゲイシャがいい、パカマラがいい、と、単に品種だけにこだわってしまうのは早計です。この点については、コーヒーを買う我々も注意しなければなりません。ゲイシャやモカ、パカマラといった少数の品種だけが人気を博し、農園の多くがそのコーヒーばかりを植えるような風潮は、到底歓迎できるものではありません。なぜなら前述のように、その農園のテロワールに合った品種でないと、成果物であるコーヒーが、本当に素晴らしいといえるものにならないからです。コーヒーの多様性を損なってしまうような未来は、私は考えたくありません。
エスメラルダ・ゲイシャ、エルインヘルト・パカマラは確かに素晴らしいです。
しかしそれは、突き詰めると偶然の産物にすぎなかったともいえます。
様々な研究をもとに、自然環境とコーヒーの品種、生産処理との関係が明らかにされ、
作る側も、求める側も納得して、多様性のあるコーヒーワールドが訪れることを願っています。
〇〇国の笘凪・エリアの標高??m以上では△△種がいい!
笘凪・エリアでこんなフレーバーを出すには△△種!
こんな会話がなされるようになったらいいなぁ、と妄想してしまいますが、
ともあれエルインヘルト・パカマラは素晴らしいですよ、と。
カフェテナンゴさんが落札されたのも、個人的にいちばん評価の良かった「ファティマ」のロットです。
販売が今から楽しみですね!
貴重な機会を提供してくださいましてありがとうございました。
この場をかりて、御礼申し上げます。