◆Finca El Injerto(フィンカ・エル・インヘルト)
この名前を聞いて反応できる人は、このブログを読んで、
コーヒーに興味を持って調べたり、このブログに出てきた
話題をよく覚えていらっしゃる方だと思います。
知る人ぞ知るレベルを越えて、世界的に有名になった、
グアテマラ、ウェウェテナンゴと呼ばれる地域にある、
伝統のある大農園の名前です。
エル・インヘルトは、自身のウェブページを持っています。
以下のリンクは英語版のもの。スペイン語版に切り替えもできます。
■Finca el Injerto
そして、ここに気になる告知が。
そう、エル・インヘルトは今年、エスメラルダのように、独自オークションを開催します。
■Finca el Injerto – Auction
今回のオークションの概要は以下。
・2011年6月14日開催
・パカマラ種のロット
・Pandora、Patagonia、La Calacaの3エリアのロット
オークションに参加する企業は、サンプルを取り寄せて、
インターネットによる世界同時オークションで落札します。
ところで農園単位でのオークションといえば、パナマのエスメラルダが有名です。
■パナマ エスメラルダ・ゲイシャ – 琥珀色のウタカタ
エル・インヘルトも、エスメラルダと同じように、品評会(カップオブエクセレンス)での
実績を携えてのオークションで、
カップクオリティの高いロットは高額になることが予想されます。
■2008 Guatemala COE – 琥珀色のウタカタ
■2009 グアテマラカップオブエクセレンス – 琥珀色のウタカタ
エスメラルダの作った先例とその成功を背景にしている、
といっていいと思います。この動きを批判する向きも無いことはない
でしょうが、エル・インヘルト、エスメラルダとも、
名に恥じない高品質なコーヒーを生産していることは周知のとおり。
このブログで生産処理の話をしたときに引用した画像は、
時期的にちょうど良かった、エル・インヘルトのものを、
多く引用させてもらっています。
■コーヒーの生産処理~スペシャルティコーヒーのために~ -琥珀色のウタカタ
この画像を見ただけで、いかにエル・インヘルトが高度な生産管理を
しているか、というのが見て取れると思います。
その結果が、カップオブエクセレンスでの上位入賞であり、
今回のオークションにいたる原動力になっているのです。
なにもオークションだけが、品質に相応の対価を得る方法ではない
と思いますが、私は、大きな農園が自身の価値を確立する、確立した結果の
行動としては、妥当なものであるといえると思います。
もともと生産者に光をあて、素晴らしいコーヒーを発見することを
目的としたカップオブエクセレンスであり、ベストオブパナマでした。
であれば、ここまでカップオブエクセレンスを通して品質・価値を
高めてきたエル・インヘルトは、賞賛されてもいいのではないでしょうか。
エル・インヘルトのオークション、目が離せないですね!