■日本スペシャルティコーヒー協会:http://www.scaj.org/
■SCAJ2009:http://www.scaj2009.jp/index.html
■エスプレッソブレンドチャンピオンシップ:http://www.scaj2009.jp/ev_esp2009.html
■エスプレッソブレンドチャンピオンシップ概要■
“『スポンサーより提供して頂いた8種類の生豆を使用し、
焙煎人とバリスタで切磋琢磨し、
理想のエスプレッソブレンドをつくりあげるコンペティションを行います。』
今年は、焙煎人だけでなく、バリスタをチームに加え、
スペシャルティコーヒーを使用し焙煎したコーヒーでエスプレッソブレンドを作成していただきます。
スペシャルティコーヒーの風味特性を伝えるには、
焙煎人の焙煎技術とバリスタの抽出技術の一体が求められます。
焙煎人の地域・個人の壁を越えた交流イベントとなるだけでなく、
今回は焙煎人とバリスタとの融合により、焙煎技術等の発展につながる良い機会になります。
皆様のご参加をお待ちしております。”
昨年に続き、今回も、この大会を見ることが出来ました。
今年はプロの招待審査員4名の中に、WBCトレーニング委員会のジャスティン・メトゥカルフ氏と、
同じくWBCより、ルールズ&レギュレーション委員会のマッツ・ヨハンセン氏を招いての審査でした。
そして今年も客席より、4名の一般審査員を選出。
今年は希望者が多くジャンケンで決定、幸運な4名が審査にあたりました。
今年は去年とかなり毛色が異なり、
招待審査員のジャスティン氏・マッツ氏が切る!切る!!切る!!!
しかしその分、実りの大きな結果になったのではないでしょうか。
スペシャルティコーヒーにおけるブレンドの方向性、考え方、焙煎はどうあるべきか、
ロースターとバリスタとの関係は?そして、日本のエスプレッソは?
おもしろかったのは、今回、ケニアの豆を、全てのチームが使っていた、ということです。
ケニア好きなのでとても興味深かった、というかなぜか嬉しかったのですが、
イベント司会の丸山健太郎氏のコメントの中で触れられた「ケニアコンプレックス」は、
とても印象深かったです。
『日本には今まで善い酸味を持つコーヒーがあまり入ってこなかったんです。
その結果お客様が「酸味はあまり好きではない」ということも多かった。
だから我々焙煎人は苦心して酸味の少ない、酸味を殺すような焙煎をしてきた、
という背景があります。しかし近年はよい酸味を持つコーヒーが入ってくるようになったんです。
だから焙煎の方向性も若干変わってきた。とくにケニアは特徴的で素晴らしい酸味を持っていて、
カッピングでのスコアも高くなります。だから皆、今回使っているのではないでしょうか。』
要約するとおおよそこのような感じです。目から鱗、の思いでした。
ケニアは本当に鮮やかで、豊かなフルーツを思わせる印象のフレーバーや酸味を持っています。
世界中で取り合うのも、わかる気がします。
しかしエスプレッソにおけるバランスの取り方も大事なので、そこのバランスの取り方なのでしょうね。
ケニアを使うと、酸味が突出しやすく、ともすると刺激的な味になるので、難しい部分があるそうです。
自分でもケニアのエスプレッソを抽出していて、
ジューシーで本当に美味しいんだけど、万人受け狙うならもっと甘さやマウスフィールが、、、
と思ったりします。
そういった部分も含め、
ジャスティン氏・マッツ氏の感覚では、「日本のエスプレッソは酸味が強い」とのこと。
日本人の舌は敏感で、美味しい酸味は得意ですからね。
世界標準では、もう少し甘味を出している場合が多いようです。
個人的には、日本人が美味しいものに敏感だからこそ、
スペシャルティコーヒーのマーケットも成長するはずだ、と思っています。
スペシャルティコーヒーは、もっともっと、日本人に受け入れられるべきコーヒーだと思います。
エスプレッソの評価では、フレーバーやマウスフィール(質感)、
酸味・苦味・甘味のバランスが大事なのですが、
そのバランスを取ろうと多くの豆をブレンドしすぎると、
スペシャルティコーヒーの個性を逆に潰しあう結果になることもあり、
残念ながらそういった結果になってしまっているチームもありました。
そして今回のプレゼン内容では、焙煎プロファイルを公開するチームも多く、
中でも焙煎に時間がかかっていたチームのエスプレッソについては、
招待・一般審査員ともに、「苦い」「煙の香り」「ベイクド(豆がこげていること)」
というように、味にダイレクトに反映されているチームもありました。
しかし、これまでは審査員がいるイベントで、
このようなコメントが観客の目の前で披露される場もあまりなく、
そういった話が聞けて、皆でなぜそうなったのか考え、話し合うことの出来る場がある、
というのは、非常に素晴らしいことではないでしょうか。
今までクローズドだった世界がオープンになり、情報の共有が進み、
結果として多くの人が美味しいコーヒーに出会える、それは願ってもないことだと思います。
こうした取り組みを通して、日本中でもっともっと、美味しいエスプレッソが飲めるようになると、
本当に素晴らしいことだな!と思います。
最後に、エスプレッソブレンドチャンピオンシップでは、その年のバリスタチャンピオンシップで
優勝したバリスタが抽出を努めるのですが、私が飲むことが出来た範囲では、
丸山珈琲、中原見英バリスタの抽出は殆ど完璧といっていいのではいかな、と思いました。
先述のブレンドしすぎて個性が潰れている場合も、火が入りすぎてベイクドしている場合も、
抽出時における過抽出やリストレットから生まれる欠点ではなく、
ブレンドや、焙煎による結果であることが分かる、
言い換えれば、豆や焙煎の善し悪しがはっきりと分かる、抽出をされていたように思います。
私は普段からスペシャルティコーヒーのエスプレッソを常飲しているので、
コマーシャルコーヒーのことは分かりませんが、これは相当すごいことだと思います。
改めて、バリスタチャンピオンシップのレベルの高さを感じました!!
今年は昨年に比べても情報量が多く、また実りの多い大会だったので、
ついつい話が長くなりました。以下が、大会の結果です。
■招待審査員
1位:中部チーム
2位:関西チーム
3位:関東チーム
■一般審査員
1位:北海道チーム&関西チーム(同点)
3位:関東Bチーム
どのチームも素晴らしい取り組みをされていて、
感動しました!来年が楽しみですね!!
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
おひさしぶりでございます。
エスプレッソブレンドチャンピオンシップ、一番後ろの席で見学させていただきました。
最後の試飲では、
なんとなくですが一般審査員評価と招待審査員評価の差を実感することができました。
目指すゴール(味)の違いによって、近いブレンドであっても大分違いが出てくることも分かり、
また、審査員のお国柄も評価に出てくることも分かり、じつに興味深いものとなりました。
ああ、楽しかった。しかし、もっともっと勉強せねばなぁ!
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
>>さにう さん
お久しぶりです。
コメントされた内容的に、こちらのほうがよさそうだったので、
こちらにコメントを移させていただきました。悪しからず。
私は前のほうで見ていました。
今回はかなり内容が濃くて、とても刺激的でしたね。
さにうさんが飲まれたエスプレッソはどちらのチームのものでしょうか?
差し支えなければ印象などお聞きしてみたいと思います!
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
焙煎プロファイルをメモしながら、
丸山氏のやや空回りしているテンション(笑)を楽しみながら、
マッツ氏の、突っ込んだコメントをさせてみると厳しいコメントが多いなと、
かなり勉強になりました。
最後は、北海道チームと関東Aチームのものを試飲させていただきましたが、
北海道チームのブレンドは、
焦げ・苦味が前面に出ていて、何となく冬の厳しさが感じられるエスプレッソで、
一方関東チームのブレンドは、
バランスは良いが、どれも足りない印象を受けました。
関東Aチームに似た、ケニアメインのエルサルバトル、インドネシアでのブレンドをしていた
中部チームのものを試飲したかったのですが、残念ながらその時には私は席を外していました。
中部チームのブレンドは、酸味が控え目と表現する人と酸味が強すぎると表現する人がいて、
さてどちらなのだろうかと今になって興味が湧いてきましたが、
ジャンケン大会でも初戦敗退のため、豆をゲットならず、時すでに遅しでございます(笑)
SECRET: 0
PASS: 1856809757582aabed06a0303a1e30c3
>>さにうさん
コメントありがとうございます!
>北海道チームと関東Aチームのもの
仰るとおりだったと思います。
しかし、素材の良さは伝わるので、やはり焙煎って大事だな、と感じますね。
>中部チームのもの
バランスよくまとまっていましたが、
もう少しフレーバー出ていれば、よかったかも知れませんね。
関東チームのものより、焙煎は良かったのではないかと思います。
>酸味が控え目と表現する人と酸味が強すぎると表現する人
このあたりは誰が言っていたかで少し変わってくるかもしれませんね。
ブレンド、というのも関係しているのかもしれません。
いずれにしても、もっともっとスペシャルティコーヒーのエスプレッソが飲んでみたい!
という一言に尽きますね(笑)