シルビオ・レイテ氏のカッピングセミナーに行ってきました。

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シルビオ・レイテ氏のカッピングセミナーに行ってきました。琥珀色のウタカタ日本スペシャルティコーヒー協会
[シルビオレイテ氏のスペシャルティコーヒーカッピングセミナーのご案内]

少し前の話になってしまうのですが、2010年9月25日、SCAJ主催のシルビオ・レイテ氏のカッピングセミナーに参加してきました。
シルビオ氏はブラジル人で、著名カッパーであり「伝説の14人」のうちの一人です。
COEのヘッドジャッジも務められており、その人柄も素晴らしく、彼の立ち上げた商社「アグリカフェ」も素晴らしいコーヒーを扱っています。
今回のカッピングセミナーは、彼がブラジルのアグリカフェでどういったカッピングの指導をしているか、という事を再現したセミナーでした。

プログラムとしては

1. 試薬を用いた酸・質感・甘さ・デイフェクト(欠点)のトレーニング
2. 1.を踏まえた上でのディフェクト(欠点)をとらえるカッピング
3. 彼の扱っているコーヒーのナチュラル・パルプトナチュラルをとらえるカッピング
4. 焙煎プロファイル違いのカッピング

といった流れでのセミナーでした。

以下、簡単ですがレポートを。

€1. 試薬を用いた酸・質感・甘さ・デイフェクト(欠点)のトレーニング
これは私は初めての体験でした。
クエン酸、リンゴ酸、酒石酸を用いた酸の質を見るもの、カリウムを用いた渋味、ナトリウム、メチルセルロース、グリセリンを用いた質感を見るもの。
酸味だけでは全然おいしくないのですがそこに砂糖が加わると途端に熟したフルーツの酸になる、というのは頭では解っていましたが実際に体感してみると新鮮な驚きがありました。

やはりコーヒーにおいて質の良い酸味は必要不可欠なものです。味の輪郭、骨組みとして機能していることを実感しました。
この辺りの複合した話は、また別でエントリーとして立ち上げたいなと思います。

2. 1.を踏まえた上でのディフェクト(欠点)をとらえるカッピング
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正直「ディフェクトをとらえることがどうして必要なの?」と思っていたことを告白します。
しかし話を聞いてそんな自分の考えを恥じました。ディフェクトをとらえるということは、そこに生産処理工程上の問題を発見し、農園にフィードバックするという目的があるのです。

スペシャルティコーヒーは、生豆の状態になるまでに多くの工程を取るのですが、その一つ一つにミスがあると、必ずカップクオリティの違いとして現れてきます。同じ工程をたどったとしても、同じようにスペシャルティコーヒーが生産される保証はありません。

たとえば、
・渋味があり、甘みがない→熟度の低いチェリーが混じっている
・薬品臭がする→摘み取った時点で腐敗している可能性や、乾燥工程での撹拌が不均一でカビが発生した可能性がある
といったようなことがカッピングの結果によって推測されるため、これを農園へフィードバックすることで、農園のワーカーの教育や生産処理工程の見直し、また生産者の意識向上につながるのです。

コーヒーを美味しくするのは生産者の情熱はもちろんのこと、カッパーとの信頼関係、言いたいことを言い合える友好関係も必要なのだということを改めて感じ、胸の熱くなる思いがしました。

3. 彼の扱っているコーヒーのナチュラル・パルプトナチュラルをとらえるカッピング
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これは少し難しかったです。

ナチュラルのコーヒーは、生産処理が終わった後も少し休ませる期間を取らないとカップによさが表れてこないという側面があり、今回のセミナー時点では当年のクロップのナチュラルコーヒーの良さが十分発揮されず、ともするとディフェクトとしてとらえてしまい易いカッピングでした。しかしやはりその中にも良さがあり、極端に低い点数になることはありませんでした。このあたり参加者の皆さんはよくとらえられていて、カッピングセミナーのレベルが上がっている事を感じました。

パルプトナチュラルのコーヒーは比較的早く良さが表れてきており、このカッピングでも素晴らしいロットがありました。地域にもよるのですが、ブラジルのパルプトナチュラルのコーヒーは柑橘類を思わせる酸味、滑らかな質感が特徴として見られます。

4. 焙煎プロファイル違いのカッピング
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「今度ヨーロッパでローストチャンピオンシップがあって、皆さんにどれを出したらいいか選んでもらいたくて…」とユーモラスな切り出し方で始まったカッピングでしたが、同じコーヒーでここまで差が出るか!というカッピングでした。焙煎の温度や時間によってプロファイルにかなりの差異が見られました。私のスコアで言うと一番低いものが80点で、一番良いものが86点だったので、スコア上も全くの別物として見えます。一番人気を集めたのはCOEと同じローストプロファイルで焙煎したコーヒーでした。多くの方(私も含め)がそれを一番に推していて、ここでも全体としてのカッピング能力の向上を感じました。非常に興味深いカッピングでした。

セミナーに出るようになって2年ほど経ちますが、全体としてのレベル向上をとても感じています。素晴らしいことだと思います。カッピングをベースにした生産者とのコミュニケーション、お客様に求められるローストプロファイルの決定、カッピングによって繋がっているコーヒーのチェーン(繋がり)に、まだまだ可能性があることを感じさせてくれたすばらしいセミナーでした。また来年も、可能であればぜひ参加したいセミナーです。

 

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