丸山珈琲、丸山健太郎氏のホンジュラスからのレポート
現在、日本のスペシャルティコーヒー関係者の方々が中米を訪問されています。
主な国は、ホンジュラス、グァテマラ、エルサルバドル、ニカラグアといった、
現在さび病が流行している地域。
Twitter等で情報発信されている方はだいたい私もフォローしているので、
タイムラインを眺めていると、やはりさび病に関する報告を多く目にします。
中でもホンジュラスを訪れられた丸山健太郎さんのツイートがわかりやすかったので、
ご紹介します。
今日見たさび病の木。わかりにくいが中央の葉っぱが落ちてしまった木。周りで葉っぱが青々しているのは、さび病に耐性のあるHICAFE90という品種の木。 instagr.am/p/VDWQVaCyjv/
— 丸山健太郎 Kentaro Mさん (@maruyamacoffee) 2013年1月29日
さび病の被害にあった木。わかりにくいが新しい葉っぱが出てきている。なので剪定はしないという。こういう被害の農家が多く、今年はしょうがないが来年は大丈夫だとみんな言う。 instagr.am/p/VEgPbECyhK/
— 丸山健太郎 Kentaro Mさん (@maruyamacoffee) 2013年1月29日
画像はリンク先でご確認ください。
さび病にかかった木は1つめの画像のように葉っぱが全て落ちてしまいます。
最悪の場合はそのまま枯れてしまうのですが、今回のさび病の被害にあった木は、
健気にも新しい葉を生やしつつあるようです。
ホンジュラスには正味4日間いたわけですが、レンピーラ、コパン、オコテペケ、インティブカなどの西部各県では標高1500m以上ではさび病の被害は少なかったです。1400m以下の農園ではカトゥーラ、ブルポンなどの品種の木がかなりダメージを受けています。
— 丸山健太郎 Kentaro Mさん (@maruyamacoffee) 2013年1月30日
IHCAFE90 や Lempira(現地でよく聞いた品種)などさび病耐性のある木はピンピンしてました。IHCAFEのスタッフの反応は思ったより落ち着いていて、新しい葉が出てきている木がけっこうあるので、大丈夫だろう、といった感じです。農家も同じ。
— 丸山健太郎 Kentaro Mさん (@maruyamacoffee) 2013年1月30日
今までで最悪の事態か?と聞きまわりましたが、そうでもないようです。ある農園では90年代前半のアントラノーゼの時の方が被害が大きかったと。さび病にかかった木は様子を見て、新しい葉が出るようならそのまま。そうでなければさび病耐性のある品種に植え替えるようです。
— 丸山健太郎 Kentaro Mさん (@maruyamacoffee) 2013年1月30日
ただ、私の回っている農園は標高があるところが多いので全体の実感とは違うかもしれません。標高の高い所だと、さび病が入ってきても薬剤の散布でかなり食い止められています。
— 丸山健太郎 Kentaro Mさん (@maruyamacoffee) 2013年1月30日
カングアルで散布し効果のあった薬剤。さび病が発生し始めてすぐに散布した農園とそうでない農園では大きな差が出ていました。 instagr.am/p/VIE6Ksiynv/
— 丸山健太郎 Kentaro Mさん (@maruyamacoffee) 2013年1月30日
今回のさび病は、比較的高標高な地域での被害は少ないようですし、農薬散布もあって
ホンジュラスでは軽微で済んだところもあるもようです。
ただ高標高な地域でも発生していることは事実なので、要警戒といったところでしょうか。
国によって取れる対策にも違いはあるので、場所によっては高標高な地域でも大きな被害に
あっているところがある可能性もあります。
今後を考えるうえで重要なのは、以下の一連のツイートでしょう。
もしも今回のタイプのさび病が高標高のコーヒー栽培にダメージを与えないのならば、1500m以上の高地にはカトゥーラ、パカス、ブルボンなどの栽培地は残り、それより下の地域では徐々にハイブリッド系品種の木がマジョリティになっていくのではないかと。
— 丸山健太郎 Kentaro Mさん (@maruyamacoffee) 2013年1月30日
@maruyamacoffee 2009年に初めて高標高でのサビ病を報告したコロンビアのその後の報告では、2011年期に採取されたさび病30検体のうち新型と思われるのは2株で、残りは従来と同様のRace IIだった模様です。ホンジュラスも同様に、まだRace IIの流行が主かも。
— Y Tambeさん (@y_tambe) 2013年1月30日
@y_tambe そうかもしれませんね。高標高でサビ病が被害をもたらすようになると、きついなあ。
— 丸山健太郎 Kentaro Mさん (@maruyamacoffee) 2013年1月31日
@y_tambeさんがつぶやいているのは、コロンビアで発生した新型のさび病について。
高標高地域でも流行するタイプで、この新型さび病の流行は、大きな懸念になっています。
今回のさび病の型は従来と同様の型の可能性が高く、まずはひと安心、といったところですが、
もちろん他の地域の状況を見ないと、ほんとうのところはなんともいえませんね…
良いコーヒーには、それなりのお金を
結局のところ、直接の働きかけは産地に出かけているバイヤーさんたちのお仕事です。
少なくとも今の私や、普通にコーヒーを楽しんでいるだけの方たちが、直接コーヒー生産地に
何か具体的なアクションを起こせるかといえば、かなり難しいと言わざるを得ません。
しかし、コーヒーを買っているなら、たったひとつできることがあります。
それは、収穫量が減った影響で、今後おそらく値段が若干上昇する美味しいコーヒーに、
しっかりお金を払ってあげることです。支払ったお金は直接にしろ間接にしろ、
正当な取引のもとに売買されたコーヒーならば、回りまわって生産者の手元へ届きます。
コーヒーを買うときに、生産地や生産者の情報が記されているコーヒーを選べば、
ミッションは完了といえます。パッケージに記載がなくても、販売スタッフが
そのコーヒーのことについてよく知っているのならば、かなりの確率で、生産者と
良好な関係性のもとに買い付けられたコーヒーです。
コーヒーを購入する際は、ぜひその点に注意して選ぶようにしてみてください。
コーヒーは、人に飲んでもらって初めてコーヒーとして成立します。
素晴らしいコーヒーが素晴らしいコーヒーであるためには、それなりの理由があるのですから…