エスプレッソに泡立てた牛乳を注いで表面に模様を描く“ラテアート”。
その美しさ、面白さに魅せられてカフェ通いに目覚めたり、はたまた自分でやってみたくなったり、さらには高じてバリスタになってしまったり…
コーヒーには人を魅了する力がありますが、ラテアートほどわかりやすく、また多くの人の目を引くものもないなぁ、と個人的には感じています。
ちなみにピックや爪楊枝を使って描くものを『デザインカプチーノ』、ミルクの注ぎだけで作る、欧米で言うところの“フリーポワー”を『ラテアート』と、このブログの中では呼ぶことにします。
■ラテアートするために最低限必要なもの
ラテアートをするためには、器具はもちろんなのですが、
コーヒーやミルクにもいくつかの条件がつきます。
②視認できないほど細かく泡立てられたスチームドミルク
この2つが揃うことが最低条件で、その上で
③注ぎの技術
これが必要です。
そしてこれらの技術的な条件が結果的に
“コントラストのはっきりした、ツヤのあるラテアート=美味しいコーヒー”
というカフェラテ・カプチーノの定理を生み出すにいたりました。
しかし私はこれを十分条件であると思っています。
つまり、おいしいコーヒーで美しいラテアートはできますが、美しいラテアートが描かれていれば、美味しいというわけではない、ということです。
↑これはちょっと美しくないですね…
■美しいラテアートならば美味しい、は偽
コーヒーにある程度適切な焙煎を施し、正しい器具の使い方をすれば、
クレマのあるエスプレッソは抽出できます。
バリスタがマシンを使いこなせば、キメの細かいスチームドミルクも作れます。
そしてバリスタに技術があれば、美しいラテアートは描くことが出来ます。
しかしこれらの条件は、バリスタの技術が一定のレベルに至っていることは保証しても、コーヒーが美味しいことまでは保証してくれません。
コマーシャルコーヒーと、あまり美味しくない牛乳でも、ラテアートは出来てしまうのです。
■コーヒーという飲み物の因果
コーヒーの美味しさは、見た目から判断することはほぼ不可能です。
それは生豆の状態でも、焙煎豆の状態でも、カップに入った状態でも同じです。
しかし、だからこそ、コーヒーを提供する側には、抽出した液体がどれほどの品質を湛えているか、客観的に理解し、判断するスキルを求められる時代になってくるのではないか、と個人的には考えています。
■ラテアートはオマケ
ラテアートはコーヒーの美味しさを担保する要因にはなりません。
しかし、ラテアートには多くの人をひきつける魅力があり、ラテアートを描く技術を磨くことは、バリスタとして何処も間違った行動ではありません。
ただ、私はただラテアートが上手な、ただ作業が的確で早いバリスタには、申し訳ありませんが魅力を感じません。
コーヒーの品質に対して誠実に、自分の出しうる最高のコーヒーを提供したい、そんな情熱を持ったバリスタに魅力を感じていますし、尊敬の念を抱いています。
ラテアートはただのオマケに過ぎないのです。
見た目に美しいだけではなく、さらに美味しい、という価値を、カフェラテやカプチーノに付加することが出来なければ、やがてそのカフェから足が遠のく結果が待っているのではないか、と危惧しています。
せっかく盛り上がっているラテアートの世界、見せかけだけで終わってしまうことの無いよう、品質にこだわったカフェラテやカプチーノが飲めるお店が増えると、コーヒーを愛する者として、これ程嬉しいことはありません。
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はじめまして。
コーヒーのブログをいろいろ読んでいてこちらに行き当たりました。
ま、お気持ちは理解しますが、あまり心配せずとも、肩肘張らずともいいのでは?
ラテン的に、楽天的に、いい豆を楽しくいただく。これに尽きますよね。
求道的に淹れたコーヒーが偉い、と振りかざすとかえってコーヒーの人気は落ちるかも。
ほんとは「若いねぇ」と一言だけ書こうかとも思ったんだけど。
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>>美しいラテアートならば美味しい、は偽
間違ってはいないと思うけどここまで言い切ってしまうとねぇ・・
少なくともステキなラテアートをする店で、不味いラテ・カプチは飲んだ事ないけどね。
色んなラテアート大会の上位者のお店もしかり。
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>>美しいラテアートならば美味しい、は偽
間違ってはいないと思うけどここまで言い切ってしまうとねぇ・・
同感です。いい状態にミルクが仕上がってるからこそ、綺麗なラテアートが出るわけですしね。
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>お三方
ラテアートも美味しさのうち、というご意見ですね。
それに関しては否定はいたしませんが、
私の場合は液体の品質まで含めて美味しさ、と考えています。
これは如何に抽出、スチーミングが上手いからといって、
コーヒー・ミルクの味まで変えることは出来ないという考え方に基づいています。
見た目の品質と、液体の品質はまったく別問題です。
また「偽」という言葉は数学の用語で、真でなければ反例を示して偽、
というもので、このエントリーの場合は語義に照らして正しい用法だと個人的には考えております。
私からいえることは以上です。
コーヒーが本当に好きなんですね。
「ラテアートはただのオマケに過ぎないのです。」まさにラテアートについて、知っておいてほしいこと、忘れないでほしいことだと思います 💡
確かに最近ラテアートを重視してテイストがあまりよくない傾向が見られますからね 😐
「ラテアートはオマケ」自分もそう強く思います。すべてがそうじゃないですけど、そういう風に思ってくれる人がいてよかったです
>>ashさま
ありがとうございます。
コーヒーが美味しくてラテアートがきれいならいうことないです、本当にw
これに関しては折を見て言い続けたいことのひとつで、
コーヒーのテイストありきじゃないとバリスタもカフェも伸びていかないと思うんですよね。
自分もがんばります!