Cup of Excellence のカッピングフォームと品質基準の補足その2。
今回は「クリーンカップ」についてです。
英文は最初の記事と同じく、
■Cupping Form-Cup of Excellence
より。
■Clean cup
カップの綺麗さ
this is the basic starting point for coffee quality.
これはコーヒー品質のための基本的な出発点です。
Clean cup is complete freedom from taints or faults.
綺麗なカップは汚れや欠点がありません。
It is the transparency necessary for a coffee’s terroir to shine through.
コーヒーのテロワールがはっきり分かるために必要な透明性です。
+ purity free from measurable faults clarity
+(好評価) 測定できる欠点が見当たらないこと
– dirty earthy moldy off-fruity
-(マイナス評価) 汚れた印象、土のような印象、カビの香り、フルーティでない
「カップの綺麗さ」とはいっても、コーヒーの入っている器が綺麗かどうか、ではありません(笑)
一口に言えば「雑味のないこと」ということです。
コーヒーの持つ味を感じさせにくくする印象があると、この項目の点数は低くなります。
COE、SCAE、SCAJ方式では、このクリーンカップを0-8(実質3-8)点で絶対評価します。
不思議なことですが、カッピングフォームを基に採点すると、
合計点数の高いコーヒーは項目を通じて点数が高く、
合計点数の低いコーヒーは項目を通じて点数が低い、ということが往々にしてあります。
特にこのクリーンカップは、スペシャルティコーヒーにおいて重要な要素です。
そのコーヒーがどういうフレーバーを持っているのか、どういった酸味なのか、甘味なのか、
といったそれぞれの特徴を、損なわず感じられるかどうか。
例えば、どんなにいいフレーバーがあっても、カビ臭があったら楽しめませんよね。
セミナーの講師の先生からの受け売りですが、絵を描くキャンバスに似ているのだと思います。
どんなにいい色も、もしキャンバスが汚れていたら、その美しさは伝わらないということです。
クリーンカップの点数が高い場合は、大きく分けて二通りの場合があります。
・雑味がない
・コーヒーの持つ多種多様な風味特性のプロファイルがたくさん書ける
もちろん、両方の場合もあります。
クリーンカップに優れているコーヒーであることをフレーバープロファイルで表現するときは、
clean 、もしくは clean cup 、と書くことが多いですね。
他にはtea-like(紅茶のよう) も、クリーンカップであることが前提にありますね。
スペシャルティコーヒーは、コーヒーの個性をポジティブに判断します。
そのためのスタートが、このクリーンカップです。