カッピングフォーム「スイートネス」

投稿者: | 2009/10/22
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sweetness
Cup of Excellence のカッピングフォームと品質基準の補足その3です。
今回はスイートネス、甘さについてお話しします。
■Sweetness
甘さ
The sensation of sweetness correlates directly
with how uniformly ripe a coffee was when harvested.

収穫時にどれだけ均一に熟していたか、ということと密接に関連しています。
Sweetness is not entirely dependent on how much sugar is in the roasted coffee,
コーヒーの甘さは、コーヒーにどれだけ糖分が含まれているか、ということや、 
but also on other components which combine to create the impression of sweetness.
甘さが作り出す印象(フルーツやチョコのイメージ)にも依存しません。
+ ripeness sweet
+ 果物が熟した甘さ
– green undeveloped closed tart
– 未熟で、発達していなくて、すっぱい
コーヒーが持っている甘さですが、
スペシャルティコーヒーのもつ甘さは、収穫時のチェリーの熟度が大きく関係しています。
つまり、スペシャルティコーヒーのカッピング、フレーバープロファイルでいう甘さとは、
フルーツのもつ甘さと、大変似通っていると考えて差し支えないと思います。
今後お話しする、アシディティ(酸味)とかぶるところもあるのですが、
フルーツの酸味は、通常、甘さの印象にもつながっています。
フルーツのジューシーな感じを思い出してください。

酸味から入れ替わる甘みは、アシディティに優れた印象をもつコーヒーによく現れます。
そして、心地よいアフターテイスト(後味)にも、かなりかかわってくるのがこのスイートネス、甘さです。
生産処理によっても、印象が違ってくることがあります。
例えばブラジルのナチュラルのようにコーヒーチェリーそのものや、
同じくブラジルのパルプトナチュラル、
コスタリカやメキシコなどのパルプトデスムシラージド(セミウォッシュト)のように
粘液質を残したまま乾燥処理されたコーヒーは、その成分を豆が吸収するため、
水洗処理されたコーヒーとはまた違った甘さの印象をもつことがあります。
具体的には、酸味をあまり伴わない、チョコレートや蜂蜜の印象です。

しかし、実はそれほど一概に言えたものでもなく、
あくまで目の前のカップの甘さの「質」を見極めなければなりません。
酸味の質がフルーツ系だと、甘さもフルーツの印象で感じやすく、
フルーツの様な酸味ではなくても質の良い酸味があると、
それもまた、よい甘みに繋がっていく、といった程度に捉えています。

また、コーヒーのもつ甘みは、焙煎によっても引き出されます。
スターバックスの行っている、酸味の優れる高地産コーヒーの深煎りは、
それが焙煎によって甘みに変化することを、根拠としています。
適切に焙煎されたコーヒーは、キャラメルのような風味をもっていますが、
それは焙煎が適切であることの証明でもあります。

コーヒーの持っている糖質や、脂質などの成分を、焙煎によって変化させた結果で、
特にエスプレッソを抽出することを考えた場合、
適切に焙煎されたこのキャラメルの甘みがあるかどうかは、
エスプレッソに心地よい甘さがあるのか、それとも苦みが強くなってしまっているのか、
ということの分水嶺になりえます。
甘さの表現を、フレーバープロファイルでは、
milkchoco,syrupy(シロップのよう),sugarcane(サトウキビ),brownsugar,honey,caramel
アシディティとも関わりますが、甘みの強いフルーツで、
melon,muscat,mango
などといったように表現します。

特に後者のようなフルーツのプロファイルがあると、
甘さにも特徴のあるコーヒーであることが伝わります。

ちなみにスペシャルティコーヒーにおいて、苦味は評価の対象にはなりません。
むしろ苦味そのものは、不適切な焙煎過程や、抽出過程から生まれる欠点、
と捉える事が多いように感じます。
しかし、勿論、どういう味の作り方をするかは、焙煎人の自由です。
あくまでカッピングにおける評価では、ということなので誤解なきようお願いします。
最近のスペシャルティコーヒーを取り巻く状況を静観していると、
だんだんと素材重視になってきているように感じられます。
個人的には、心地よい甘さをもったコーヒーを楽しみたいと思います。
ドリップやプレスでも、エスプレッソでも、心地よい甘さが長く続くコーヒーは、
しばらく時間を忘れて、うっとりとしてしまうことさえあります。

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