2080年、アラビカコーヒーが絶滅!?

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2080年、アラビカコーヒーが絶滅!?琥珀色のウタカタWild Coffee
Wild Coffee / DeusXFlorida

エチオピア野生種の話だそうですが、気候変動によってアラビカ種コーヒーが
2080年までに絶滅する、というシミュレーションが出たそうです。
気候変動でアラビカ種コーヒーが絶滅?- ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト

スペシャルティコーヒーはほとんどすべてアラビカ種といっていいので、
個人的にはこの話題はとても気がかりです。
この報告を行ったのは、イギリスのキューガーデン(王立植物園)の調査団。
報告の原典は11月7日付けでPLOS ONEに掲載されたものです。
PLOS ONE: The Impact of Climate Change on Indigenous Arabica Coffee (Coffea arabica): Predicting Future Trends and Identifying Priorities


 

エチオピア野生種の、遺伝的多様性消失による影響

Shiny-leaved wild coffee (Psychotria nervosa)
Shiny-leaved wild coffee (Psychotria nervosa) / bob in swamp

今回の報告の肝のひとつはここだと思います。
気候の変化により 、コーヒーの生息に適した気候の地域が、
だんだんと狭まっている、ということです。

コーヒー、特にアラビカ種の栽培に適している地域はもともと、高緯度かつ高標高な地域です。
さらには一般に、病気や害虫に強くありません。よって、もともとコーヒーの栽培に適した
地域が地球上に多いわけではありませんでした。

それに拍車をかけているのが、昨今の地球温暖化をはじめとした気候変動。
「これまでと同じ年間平均気温をキープするには、栽培地域を数百メートル
上げないといけない。でもいま栽培している山では、これ以上の標高の土地は存在しない」
といった話も聞かれるようになっています。

中でも栽培化が進んでいない地域が多くあるエチオピアは特殊な土地で、栽培に適した品種への
植え替えが進むこともなく、気候変動による影響で、失われていっている品種がある、という話なのですね。

海外のコーヒー屋さんからコーヒーを買ったことのある方はご存知かもしれないのですが、
品種や生産処理をコーヒー豆の情報として載せている海外ロースターのエチオピアの
コーヒーで、品種(Variety)の欄をみてみて下さい。 “Ethiopian Heirloom”や“Mixed Heirloom”と
記載してあると思います。€€Heirloomを辞書で訳すと「先祖伝来の」などといったよくわからない
訳になってしまいますが、要はエチオピアではプランテーション化して品種等の生産管理を
行なっているところはごく一部で、半野生の状態で栽培していたり、その土地に自生している
コーヒーからの採集を含んでいたりしていて、そのコーヒーの品種がなんなのかわからない、
ということなのです。半野生での栽培、野生種の収穫がエチオピアでは伝統的に行われているので、
野生種が絶滅するとなると、おそらくエチオピアコーヒーの風味は変わっていってしまうことになるでしょう。

 

研究機関が行なっている対策

NP 2DU colombia 11_lo
NP 2DU colombia 11_lo / CIAT International Center for Tropical Agriculture

対策、というと大仰ですが、コーヒー生産国の多くは研究のために、農業試験場のような機関が存在します。
それらの機関は研究目的で、エチオピアに自生していた原種をサンプルとしてとっておいてあるケースがほとんどなので、 野生種が絶滅したからといって、即座にアラビカコーヒーの原種が消える、ということはなさそうです。
今回の報告で注意しなければならないのは、上述したエチオピアのコーヒーと、
世界的な気候変動によって世界中のコーヒー栽培がどうなっていくのか、ということです。

年間平均気温が上昇すると、以前と同じ気温でコーヒーを栽培したいのなら、
標高を上げなければなりません。しかし、山の標高には限界があります。
このまま気温が上がっていくとすると、いつかはコーヒーの栽培に適した気温の
場所は無くなってしまうでしょう。
アラビカはもう栽培できなくなるかもしれない、そうなった時に可能性があるのは、
気温が高くても栽培できるロブスタ種のコーヒーや、アラビカ種にロブスタ種を掛けあわせた
ハイブリッドの品種、またはなんとか栽培できるアラビカ種を栽培する、といった方法です。
もしかしたら、今私達が楽しんでいるアラビカコーヒーのフレーバーは、
いつの日か2度と味わえないものになってしまうかもしれません。

 

まとめ

“コーヒノキ”は植物、かつ農作物である以上、気候変動、環境変化といった要因を
無視することはできません。しかも、様々な利害の絡む複雑な経済の上に、コーヒーは
成り立っています。

私はコーヒーが好きですし、コーヒーが美味しいと思っているうちは、
世界から私の好きなコーヒーが無くなってほしくないと思っています。
地球規模の気候変動に対して、私たちができることはそれほど多くはありませんし、
エチオピアや他のコーヒー生産国、生産地に対してできることもそんなに多くはありません。
ただ、確実に栽培するコーヒーの品種、そして品質はこれから変化せざるを得ないのでしょうから、
この事に対して問題意識はもっておかなければいけないな、と思います。

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