ここ数日で、コーヒーの小売価格が引き上げられる、という報道が相次いでいます。
■UCCレギュラーコーヒー製品の価格改定について | ニュースリリース
■家庭用「ネスカフェ」ソリュブルコーヒー製品の価格改定について(PDF)
■ビバレッジ商品の一部価格改定について- STARBUCKS COFFEE
UCC・ネスレの値上げとスターバックスの値上げの原因は、実は必ずしも同一というわけではありません。
UCCやネスレは、いわゆるコモディティコーヒー、コマーシャルコーヒーの、国際相場の上昇がその直接的な原因です。現在さまざまな投機対象品目が生産国の政情不安や新興国の消費拡大によって相場を上げているのですが、コーヒーは中でも石油に次ぐ投機対象品目であり、相場が上昇しています。前年比1.7倍は暴騰といっても過言ではないかもしれません。
(via from フジフューチャーズ)
具体的な原因は2つ。
1.需給バランス
BRICs諸国の拡大が大きいようです。
また環境変動によるコーヒーの不作もあり、供給が圧倒的においついていません。
2.各国の経済政策
金融緩和政策により、コーヒーに投機資金を投入する流れがあるようです。
この傾向はおそらく今後も続くでしょう。
これに対して、スターバックスの価格改定の意味合いは少し違います。
スターバックスのコーヒーはスペシャルティコーヒーで、コマーシャルコーヒーとは違い、国際市場を介さない、生産者との直接取引によってコーヒー生豆を仕入れています。しかし国際相場が大きく上昇したりすれば多少なりともその影響は受けざるを得ない事情もあり、なにより需要に対して供給が追いついていないのはスペシャルティコーヒーも同じことです。今までと同じ量、品質を確保する為に要するコストは、確実に上昇しているのです。
スペシャルティコーヒーの値上げに対しての私の立場はこうです。
“品質が担保されるなら、値上げは受け入れる”
私はおいしいコーヒーが大好きなので、それが飲めるのなら多少の値上げは許容できます。またスペシャルティコーヒーの場合は生産者に直接利益が還元されるので、今後もおいしいコーヒーが飲めるのであれば、私は喜んで対価を支払おうと思います。それだけの価値がある、それがスペシャルティコーヒーだと考えています。
たかが嗜好品、されど嗜好品…