Intelligentsiaのワークショップ“ECW2011”がすごい!

投稿者: | 2011/11/03
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11/27~11/30の間にIntelligentsiaで行われていたワークショップ、“ECW2011”。
なかなか興味深い取り組みだったのでご紹介しようと思います。

Intelligentsia Coffee and Tea
ecw.intelligentsiacoffee.com

ECWは、Extraordinary Coffee Workshopの略。
日本語に直すと“ぶっ飛んだコーヒーワークショップ”といったところでしょうか…?
その名の通り、ぶっ飛んだワークショップで、ぜんぜん名前負けしていなくて驚いたほどです。
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◆ECWの目的

What is the ECW?

The primary goal of the Extraordinary Coffee Workshop (Taller de Cafe Extraordinario) is to unite growers who have made a serious commitment to quality and create a forum where they are able to share knowledge. We want to build a network of farmer-to-farmer support, through which the best ideas and innovations being pioneered by visionary growers around the world can be exchanged. This is all about creating connections and forging relationships that will allow these growers, who have already demonstrated an ability to produce exceptional coffees, to continue improving their techniques and deepening their engagement with the consuming world. Baristas, roasters, buyers, farmers and agronomists gather together in one place to learn from one another, in recognition of the fact that we can all advance faster and farther when working in close collaboration and shaping a dynamic collective vision.

ざっくりと要約すると、
1.品質に注力している人たちの集まりである
2.農園どうしのネットワークを作り、イノベーションを起こしたい
3.バリスタ、ロースター、バイヤー、ファーマー、農学者が一堂に会してワークショップを行う

こんな内容になるでしょうか。

 

◆ここがすごいその1:集まる人達
単に農園主やその関係者というだけでなく、現地のエクスポーター、ロースター、バリスタ、学者に到るまで、
コーヒーに関わる人達が集まってワークショップを行う-私が知る限りここまでのイベントはECWが初めてです。

インテリジェンシアのコーヒーを飲んだことがある方ならわかるでしょうが、相当に品質の高いコーヒーを彼らは手にいれています。
それは一朝一夕に得られる結果ではなく、それこそ農園、エクスポーターと強固で密接な関係を作ってきたからこそ可能になった品質。
そんな世界各地の農園の関係者が集まると考えるだけですでにワクワクしてしまいます。

 

◆ここがすごいその2:ワークショップのプログラム
Program

細かいところはリンク先を読んでいただくとして…
かいつまんでお話すると、このワークショップ、カッピングしない日はありません。
コーヒーの品質について語るときに欠かせないカッピング、COEプログラムによってそのフォームと基準は一般的になりつつあります。
消費国はもとより、産地でもCOEプロトコルに基づいたカッピング が当たり前に行われるようになると、フレーバープロファイルによる
コーヒーを介したコミュニケーションが成立する、という面白い現象が生まれます 。
私もカッピング言語がコーヒーの共通言語になりつつある ことにとても期待している一人です。

 

◆ここがすごいその3:スポンサー
Sponsors

コーヒー輸入・焙煎業者だけではこんなイベントは成り立たないことはなんとなくわかっていたのですが、
抽出器具業者を始め、ローストワークショップも あることから焙煎機業者、さらには生産処理機械業者まで名を連ねているとは驚きです。
コーヒー業界総出、といっても過言ではないレベルで、ECWは支えられているのです。

 

◆翻って日本では?
やはりこのことは触れざるを得ません。
想像するに、インテリジェンシアと遜色ないというか、世界的に見ても高品質なコーヒーを扱うロースターは日本にもありますし、
すでに家族といえるようなパートナーシップを結んでいる生産地もたくさんあるといえます。
しかし日本はまだまだ内にこもっているような印象があって、「こういうことやってるよ」と、コーヒー業界やコーヒーに関心のある人以外に訴えていく動きは少ない、正確にはまだ始まったばかりだといえます。
ECWと全く同じようなことを するわけにもいかないのは百も承知ですが、スペシャルティコーヒーのことをより多くの人が知り、選択できるような未来を望んでいます。

自分がそのために何ができるか、ということはまだよくわからないところも多いですが、最近あらためて“From Seed to Cup”を考えています。
とても単純な言葉なのですが、ここにはスペシャルティコーヒーの全てが詰まっていると実感しつつあります。
「それはFrom seed to Cupか?」そう問いかけることで、実にすっきりと見渡すことができるようになりました。
そしてもっともっと多くの人がスペシャルティコーヒーに触れられるような世の中になるように、微力ながら力を尽くしたいと、あらためてここに書き記しておこうと思います。