USBC2011チャンピオン、Pete Licataのパフォーマンスの動画を見つけたのでご紹介します。
Watch live video from SCAA/USBC on Justin.tv
彼のパフォーマンスの詳細は、以下のエントリーから確認できます。
■USBC2011 – USBC Finals: Pete Licata
彼は、
1.シグニチャービバレッジ
2.カプチーノ
3.エスプレッソ
の順で抽出し、
ハワイコナのストーリーとそのテイストをテーマにプレゼンテーションしました。
彼は自分で収穫から生産処理、ロースティングまで行い、
USBC2011に臨んだことは以前のエントリーで紹介しましたが、
今回のエントリーでは、彼のプレゼンテーションしたコーヒーについて、
上述リンクの記事を和訳して紹介したいと思います。
シグニチャービバレッジ
使用したのはRusty’s Hawaiianのレッドティピカ。
生産処理のときにCascara(おそらく生産処理後のコーヒーのパルプ・パーチメントを乾燥させたもの)を取っておき、それをお茶にしたもの、ライトローストのフレンチプレスコーヒー、ダークローストのエスプレッソの3種類のビバレッジを提供しました。
カスカラのお茶にあるのは、ムシラージ(コーヒーチェリーに含まれる粘液質)の甘さと酸っぱいフルーツの酸味、穀物のフレーバー。
フレンチプレスにあるのは、チョコレートやキャラメルの甘さ、自然な酸味。
エスプレッソは少し抽出からおいて冷えた状態になっており、そこにあるのはより発達した甘さとフルーツの酸味です。
この3種類のビバレッジを通して、コーヒーの持つ要素がビバレッジによってどう表現されていくか、また発達していくか、ということを伝えています。
非常に面白く、個性的だと思いました。
カプチーノ
Rusty’s Hawaiianのイエローカトゥーラ、レッドカトゥーラのナチュラルコーヒーを使い、
クレマリングにキャラメルの甘さ、カップの底からスイートジンジャーが感じられるカプチーノを提供しました。
エスプレッソ
エスプレッソはジャッジに少し冷めるまで待ち、ステアしてトロピカルフルーツのアロマをかいでほしい、と指示。
50%のハニー、 35%のウォッシュト、15%のナチュラルをブレンドしたコーヒーで、レモン、ブラックベリー、チョコレート、キャラメルのフレーバーを出しました。
勝因
コーヒーの選定に、収穫からローストまで全てに関わり、
彼の知識とプレゼンテーションの意味するところがジャッジ(≒お客様)に伝わったことが勝因でしょう。
バリスタチャンピオンシップで勝つには、技術は勿論、バリスタの持つパーソナリティ、そしてプレゼンテーションとカップの整合性が問われます。このエントリで紹介したのは、上述リンク、USBC2011のブログを和訳して自分なりに噛み砕いたものですが、おそらく紹介したようなフレーバーがカップに現れていたのでしょう。そうでなければいかにプレゼンテーションが良かったからといってファイナルまで残り、かつ優勝することはかないません。
個人的にはこのプレゼンテーションは、『from Seed to Cup』、スペシャルティコーヒーの基本理念を体現する、素晴らしいプレゼンテーションであるように感じます。全てのバリスタがこんなふうに産地から関わるプレゼンテーションをする必要はないし、しなければ優勝できないようなものではありませんが、ここにはジャッジ(≒お客様)に訴えかける、彼の持つパーソナリティ、パッションが色濃く反映されています。
こんなふうにコーヒーの魅力を伝えられるバリスタがいるお店、行ってみたいと思いませんか?
そういったバリスタが、ジャパンバリスタチャンピオンシップの準決勝・決勝に残る人にも大勢いらっしゃいます。コーヒーを抽出することは、イコール生産地から手渡されたバトンをお客様へ手渡すこと。バリスタには、そのコーヒーにの魅力を伝える力が求められています。そんなバリスタがいるカフェが増えていく未来を思い描くと、なんとも幸せな気分になりますね。