中南米に広がる“コーヒーさび病”

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中南米に広がる“コーヒーさび病”琥珀色のウタカタ“コーヒーさび病”をご存知でしょうか。
このブログでは基本的に美味しいスペシャルティコーヒーについての話が中心で、
あまりコーヒー栽培やその歴史について触れることはありませんでした。

しかし、今回ばかりはちょっと取り上げざるを得ません。
中米でコーヒーのさび病が拡大、3分の1が打撃 (AFP=時事)

Caranavi_coffe3_lo
Caranavi_coffe3_lo / CIAT International Center for Tropical Agriculture

コーヒーさび病とは

コーヒーさび病は、コーヒーノキがかかりうる病気の中で、一番恐ろしいものです。
過去にはセイロン、インド、ジャワ等の、東南アジア地域のアラビカ種を壊滅状態にしてしまったこともあります。

さび病の原因は「Hemileia vastatrix」、通称「コーヒーさび病菌」という、カビの一種です。
コーヒーノキがこのカビによってさび病を発症すると、葉には赤さびのような斑点ができ、
やがて葉全体に広がり、葉が枯れ落ちてしまいます。
そしてさび病菌はコーヒーノキの葉から葉へ感染していき、最終的には木全体の葉を
枯らしてしまうに至ります。そうなるとどうなるか?
コーヒーノキは枯れてしまい、二度とコーヒーを実らせることはありません。

この病気の恐ろしいところはその病気がもたらす結果はもちろんのこと、感染が木から木へ、
農園から農園、国から国へと空気感染していってしまうというところです。
さび病菌の胞子は空気中を漂い、風で運ばれ、雨が降ることでコーヒーノキの葉へ付着します。
その後生育に適した環境になると、一斉に繁殖し、さび病を引き起こすのです。

そしてまた、木から木、農園から農園へ感染を広げていくのです。
コーヒーさび病について、詳しくは以下の記事をぜひご覧いただきたいと思います。
Hemileia vastatrix
[コーヒー]さび病パンデミックの衝撃 – 百珈苑BLOG

 

さび病対策

過去には産地まるごと壊滅するような被害をもたらしたさび病ですが、現在では農薬によって
ある程度抑えこむことができるようになっているようです。

また過去のさび病発生の歴史から、栽培品種の転換を行なってる地域もあります。
東南アジアではさび病に弱いアラビカに代わってさび病に強いロブスタの栽培が主流ですし、
中南米では品種改良によってさび病耐性のある品種を生み出したりもしています。
中米で人気のゲイシャ種も、もともとはさび病に対する耐性があったために移入されたものですしね。
ただしさび病菌にもいくつか型があるらしく、全てのさび病に耐性があるアラビカ種は見つかっていないようです。
ロブスタとハイブリッド・ティモールに関しては、全てのさび病に対して耐性がありますが、
コーヒーのカップクオリティの面から、全ての産地で植えられているわけではありませんし、
ハイブリッド・ティモールとアラビカ種との交配種でさび病耐性とカップクオリティを
両立させた品種も、全てのさび病に耐性があると断定できるものではないようです。

 

2013年のコーヒー収穫はどうなる?

今年に入って発生・流行が確認されている国で、私が調べられたのは以下。
・グァテマラ
・ホンジュラス
・コスタリカ
・ニカラグア
・ジャマイカ
・コロンビア
・ブラジル

今回発生しているさび病の菌の種類や最終的な被害規模に関してはまだ確定していないようですが、
さび病の流行に伴って必要とされる農薬散布等のコストは、コーヒーの価格に影響していくでしょう。
気候変動によってコーヒーさび病菌の生育に適した環境が広がっている可能性もありますし、
さび病菌の型によっても、発生範囲が広がる可能性があります。仮に高標高な地域で発生しやすい
条件が揃っていた場合、スペシャルティコーヒー生産も大きく影響を受けるでしょう。

何か新しい情報が入り次第、また更新したいと思います。

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