“酸っぱいコーヒーはスペシャルティコーヒーの可能性を狭めている”という話

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“酸っぱいコーヒーはスペシャルティコーヒーの可能性を狭めている”という話琥珀色のウタカタ英語の記事で面白い記事を見つけたのでご紹介。

Lemon
Lemon / James Bowe

Sour Coffee Limits the Potential of Specialty Coffee | HoneyCo

HoneyCo Coffee(ハニコ・コーヒー?)というお店のブログ記事なんですが、
読んでいて思わず「そうそう!」と頷いてしまうところがいくつもありました。

 

「酸っぱいコーヒー」が生まれるわけ

抽出不足のコーヒー

If you would have asked us 5 years ago why your coffee is sour, the answer likely would have been that it was under extracted; either your grind is too coarse, or you were using too much coffee for the amount of water you’re using.

5年前なら、どうしてコーヒーが酸っぱいのか、と尋ねた場合、
挽目が荒いかコーヒーの量に対してお湯の量が多いために抽出
不足になっている、というような回答が普通でした。

これは、特にエスプレッソ抽出において顕著ですね。
ハンドドリップ等の抽出であれば、適切な時間に対して時間が短い
場合にも、酸味が目立った味になりがちです。

焙煎不足のコーヒー

The current trend in specialty coffee seems to be of the “brighter is better” philosophy, with emphasis on intensely high acidity. While we also love coffee with bright, lively acidity, we feel that these types of coffees must have adequate roast development and flavor balance to be accessible and enjoyable. Without adequate development, these strictly acidic coffees lack sweetness, complexity, and clarity of flavor.

最近のスペシャルティコーヒーのトレンドは、「より明るいものが良い」
というものです。明るく、イキイキとした酸味があるコーヒーが私達は
大好きですが、そういうためには適切な焙煎によって風味のバランスが
取られていなければなりません。適切な焙煎がなければ、ただ酸味が
強くて甘み、複雑さ、透明感に欠ける風味になってしまうのです。

あえて「焙煎不足」としましたが、上記引用、まさにそういうことだと
私も思います。焙煎についての考え方は、ちょうど2年くらい前と、1年
くらい前に書いた記事があります。

焙煎について本気出して考えてみた。 | 琥珀色のウタカタ
カッピング、焙煎、カッピングでわかってきたコーヒーのこと | 琥珀色のウタカタ

これを書いた当時と今と、私の考え方はまったく変わっていません。

1.水分をちゃんと抜く
2.熱量をしっかり与える
3.焦がさない

焙煎については、これ以外に考えることはありません。その上で、
「浅煎り」「深煎り」の話をするべきなんじゃないかなぁ…と最近の
ネット上での議論を読んでいると思います。浅煎り深煎り以前に、
焙煎がちゃんとできていない、というケースがまぁまぁあるので、
そこはちゃんと切り分けたほうがいいかなー、と思います。

 

生豆(なままめ)のポテンシャルか、お客さんの好みか

Colombia - Coffee Triangle 030 - coffee plantation tour
Colombia – Coffee Triangle 030 – coffee plantation tour / mckaysavage

焙煎がちゃんとできている、という前提で話をすると、焙煎が
浅いのと深いものを比べた場合、そのコーヒーのポテンシャルが
もっとも発揮されるのは、酸味がMAXになるところです。そうな
ると浅煎りがベストかと思われがちですが、フレーバーと甘みに
関しても十分に出してやる必要がありますので、現実的には中煎り
の浅め、ミディアム〜ハイローストくらいじゃないでしょうか。

コンペティション入賞のコーヒーや、明らかにカップクオリティが
素晴らしいコーヒーに出会うと、そのくらいで焙煎したくなるのが
我々コーヒー好きなコーヒーパーソンです(笑)。

しかし一方で普通のお客さんのことを考えると、「コーヒーは苦い
もの」という考えが当たり前です。で、私は別にこれを無理して変
える必要はないと思っています。焙煎抑え目で産地の特徴でまくりで
めちゃくちゃ美味しい!というのもコーヒーですし、苦味があって
しっかりしていてコーヒーっぽくて、というのだってコーヒーです。

そこには優劣があるわけではなく、好みと取捨選択があるだけ。
結局商品のバランスをどこに置くのか、という話に落ち着きます。

 

Not Roast “Light”,Just Roast “Right”

Four Barrel coffee roasting
Four Barrel coffee roasting / Matt Biddulph

と、いうわけでこの話は結局「ちゃんと焼こうよ、コーヒー」という
結論になります。「ちゃんと焼く」というのは繰り返しになりますが

1.水分をちゃんと抜く
2.熱量をしっかり与える
3.焦がさない

ということ。焙煎が浅い深い以前にここをまずしっかり作りこんで
おかないと、いろいろなものに影響されたり右往左往させられたり
してしまうので、焙煎する人であればとにかく焼いてカップして、
コーヒーを淹れる人であれば抽出の理論とイメージ、テイスティング
の技術を高めて、「自分のコーヒー」ってどんなものかというのを
しっかり定めておく、というのが結局大事なことなんじゃないでしょうか。

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